令和5年度 事業基本方針
自 令和5年4月 1日
至 令和6年3月31日
~ブランディングで中津川の未来を拓く~
世界経済が20年間年率約3.8%の成長を続ける中、我が国の経済は、物価、賃金、生産性がほぼ横ばいの状況が続き、先進諸外国と比べ、競争力が低下しています。加えて、約3年間にわたるコロナ禍や、ロシアのウクライナ侵攻、世界的なインフレなど大きな環境変化が続き、極めて予測困難な状況が続いています。
昨年10月に政府は、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を閣議決定しました。 Ⅰ.物価高騰・賃上げへの取り組み Ⅱ.円安を活かした地域の「稼ぐ力」の回復強化 Ⅲ.「新しい資本主義」の加速 Ⅳ.防災・減災、国土強靭化の推進、外交・安全保障環境の変化への対応 など国民の安全・安心の確保が主な内容で、経済効果として、事業規模で約71兆円、直接的なGDPの押上として4.6%程度を見込んでいます。
国民の閉塞感を打開するためにも岸田政権が掲げる、「物価高・円安への対応」「構造的な賃上げ」「成長のための投資と改革」など「コロナ後の新しい社会の開拓」「新しい資本主義」に向けた政策に注視しながら景気回復に取り組む必要があります。
商工会議所としても国の経済対策と呼応しながら、「中小企業の自己変革」「地域経済の好循環を生み出す魅力ある地域づくり」などを柱に経済再生に大きく舵を取り、情報収集・情報発信を行う必要があります。
具体的な取組みとして、、、
1)中小・小規模企業の持続的発展に向けた経営支援として、新型コロナの影響を克服し、中小企業が成長・発展するための補助金や資金繰り支援など苦境を乗り切るための支援強化。中小企業の自己変革への挑戦支援として、デジタル化による生産性の向上や経営力再構築への支援。大企業と中小企業がともに成長できる共存共栄関係の構築の推進。経済成長と環境の両立を実現するためのカーボンニュートラルの実現やSDGs、DX(デジタルトランスフォーメーション)に代表される近未来の経営環境づくりへの支援を行ってまいります。
2)広域連携の推進では、東美濃地域をはじめ下呂、木曽地域との連携による広域観光の推進や他地域との差別化を図るための近未来モビリティーの活用への提言なども行ってまいります。
3)地域振興・地域活性化の推進では、リニア停車駅にふさわしい街づくりの推進として、中心市街地活性化基本計画に掲げる事業の具現化。ウイズコロナ・ポストコロナを見据えた観光の再生。官民共創による街づくりの取り組みとして、中津川全体のブランディングをしていく必要があります。前田青邨の魅力発信や美術館再建への要望。歴史ある中山道の街道文化、栗きんとんに代表されるおもてなし文化の構築。付知峡や恵那山などの満喫できる自然環境など一級品の観光資源の磨き上げや美食の提供などを念頭に各々のポテンシャルを高めるために「地域ブランド戦略特別委員会」を設置し、街の活性化と観光の受け皿を造り上げ、中津川全体が滞在型でゆっくり魅力を堪能していただける街づくりを推進してまいります。
4)組織強化と財政基盤強化につきましては、会員拡大目標を2,000事業所とし、これまで以上にきめ細かな伴走型支援のできる職員教育と情報提供に取り組んで参ります。今年度は、中津川商工会議所ビジョン「第3期中期行動計画」(2024年度から2026年度)の計画策定の年となっています。部会・委員会・特別委員会などで十分協議し、会員ニーズの把握、意見集約など相談しやすい環境づくりにも努めてまいります。
3年間コロナに翻弄された中津川の経済再建に向け、これまで以上のスピード感を持ち、変化に対応できる商工会議所として、会員サービスの向上とリニア停車駅にふさわしい街づくり・地域づくりに、役職員・会員が一丸となって取り組んでまいります。
令和5年度 重点事業
1.中小・小規模企業の持続的発展に向けた経営支援
>コロナ禍克服や物価高騰に伴うコスト負担増への対応支援
- コロナショックの影響を受けた事業者への事業継続・再起に向けた支援強化
- 物価高騰なども含めた環境変化への対応支援
- 経営改善普及事業と経営発達支援計画に沿った伴走型経営支援の両立
- 中小・小規模企業への補助金申請、事業計画策定・実行支援、事業再構築支援
- 中小企業等の経営力向上と持続的発展、円滑な事業承継支援
- 地域経済の担い手を創出する創業支援
>ウイズコロナ・アフターコロナに対応した中小企業の自己変革への対応支援
- 自己変革に挑戦する中小企業への経営力再構築伴走支援の推進
- 中小企業等の構造改革・ビジネスモデルの転換・生産性向上支援
- 中小企業のデジタル化への対応支援
- 女性・外国人材・高齢者等の多様な人材の活躍と働き方改革への対応推進
- 小規模企業の資金繰り支援・金融支援、収益力向上・事業再生支援
>近未来の経営環境に対する取り組みの支援など
- 2050年カーボンニュートラルに向けた中小企業の取組み支援
- SDGs(持続可能な開発目標)経営の実現に向けた中小企業の取組み支援
- DX(デジタルトランスフォーメーション)実施に向けた中小企業の取組み支援
- 健康経営の推進による企業価値向上等の取組み支援
- BCP(事業継続計画)・BCM(事業継続マネジメント)構築への支援
2.広域連携の推進
>東美濃6市をはじめ、下呂・木曽地域などとの広域連携の推進
- リニアメリットを生かした地域構想(教育・医療・産業支援等)の検討と提言
- リニア関係組織・沿線商工会議所との連携強化
- ツーリズム東美濃協議会を中心とした広域観光連携体への参画
>観光資源開発と誘客促進
- 中山道を活かした観光開発と誘客のための事業推進
- 地域資源のブランディング(本物磨き)と地域団体商標等の活用
>他地域との差別化を図るための中津川の魅力づくり
- リニア活用推進委員会を中心としたリニア関連情報の収集と発信
- リニアを活かした街づくりの研究と提言
- 空飛ぶ車など近未来モビリティーやMaaSなどの二次交通システムの研究と提言
- 政府のデジタル田園都市構想を見据えた地方創生の研究と提言
3.地域振興・地域活性化の推進【リニア停車駅にふさわしいまちづくり】
>中心市街地活性化
- 第2期中心市街地活性化基本計画に沿った事業の推進
- まちづくり会社の活動強化と商店街支援
- 中心市街地・中津川駅前の一体的発展に向けた研究と提言
- リニア開業に向けた地域の特色を活かした特産品・新商品の開発と販売促進
>地域の伝統行事・まつりの保存育成と支援
- おいでん祭、十日市、六斎市、中山道まつり等のイベント事業への参画と協力
- 中津川観光協会事業との連携
- 伝統的な資源を活用したまちづくり
- 地歌舞伎や郷土芸能などの文化的活動への支援と協力
>郷土の生んだ偉人の功績の顕彰と後世への伝承
- 前田青邨の魅力発信と美術館再建に向けた推進事業
- 前田青邨記念大賞・熊谷守一大賞作品等を活用した街かど美術館の実施
>本物・注目度を活かしクオリティーを高めるまちづくり
- 中津川ブランディング(歴史・文化・芸術・食等の宝磨き)戦略の展開
- リニア岐阜県駅(仮称)周辺の都市機能充実のための提言
- 利用しやすく、近未来の交通機能も兼ね備えた基盤整備の研究と提言
- リニア車両基地・リニアの見える丘公園などを活用した産業観光
- 魅力ある居住環境整備(医療・教育・居住団地等)
- 定住対策など民間活用を推進する規制制度改革への提言
4.組織力強化と財政基盤強化
>会員の拡大と組織率の向上
- 会員増員、確保(目標2,000正会員)へ向けた取り組み
>部会・委員会活動の活性化
- 部会・委員会活動を通じた会員ニーズの把握・意見集約と要望活動の実施
>組織財政基盤の強化
- 商工会議所の組織強化、検定試験・保険制度等の事業収入回復の取組み
>会員ニーズの把握・意見集約と情報発信力の強化など
- 月刊広報やホームページによる商工会議所活動の周知
- メールマガジン・緊急メールの有効活用による迅速な情報伝達
- SNSの活用等、デジタル社会に即応した情報発信力の強化と適切なメニューの提供
- 商工会議所活動の一般市民に向けた広報活動の強化
- 商工会議所内での健康経営の実施とステップアップの取り組み
>職員の支援能力向上等
- 新しい会員ニーズや日々進化する社会環境に対応できる人材育成と支援体制づくり
- 相談しやすい会員にやさしい、また来たくなる相談体制づくり